これからの指導碁サービスとは
- 2024/10/7
- 代表ブログ
学習ツールが増える中で・・
こんにちは。DecoBocoの井桁です。
先日、公文式が「公文囲碁」という囲碁学習サービスを始めるニュースがありました。
*公文式のプレスリリースページ
ネット碁サイト「パンダネット」との提携で、初心者がオンラインで学べる体制を整えたそうです。
30級〜13級までを対象とした教材があり、それらをくり返し学ぶことで教育的効果を期待できるとありました。
私も子どもの頃に公文式に通っていたので、その取り組み方はなんとなく想像できます。
各単元で学ぶことを、これでもかというほどくり返すんですよね。時々理解できないものがあると、先生から同じプリントを3,4回解くよう言われたこともありました。
あれだけやっていたら、囲碁の地力もかなりつくことでしょう。
また囲碁ソフトを作っている株式会社シルバースタージャパンが、囲碁の局面を解説してくれるAI搭載ソフトを出すというニュースもありました。
*生成AIが囲碁の局面を解説、シルバースタージャパンが東京ゲームショウで披露
これまでの囲碁AIは、その手の良し悪しを評価値(勝率)として数値だけで出していましたが、新ソフトでは「〜〜だからA地点に打つのがいい」といったように文字で解説してくれるそうです。※詳細は未定
単純な「指導碁」では売れない時代へ
こうした便利な囲碁学習ツールがたくさん出てくるのはとても良いことだと思います。
ただ同時に、私たちのような囲碁を仕事にしている人にとっては、競合がたくさん増えるということです。
これまでの単純な「指導碁」を提供するだけでは、どんどん厳しくなることが予想されます。囲碁人口も減少していますし。
「これからの指導碁」という括りで、今までよりも楽しんでいただけるようなサービスづくりが求められています。どんなサービスが考えられるでしょうか。
特定の分野に絞る
「◯◯だけを教えてます」といった、分野を絞って教えるサービスがまず思いつきます。
指導碁は一局打ってその振り返りをするのが基本セットですが、それだけだと上述のツールに比べて特別感がありません。
例えば私が級位者の頃、相手の陣地に入るのが苦手でした。
本を読んで流れを掴むことはできますが、対局だとそのとおりに進まないこともあるので、なかなか習得することができませんでした。
また固く固く打ち続ける人と対局するときは、まったく打ち込まない展開になることも。
そうした課題を解決するのが「絞った指導碁」です。
やはり学びは実践してこそ身につくので、それが出てくるような教材や盤面を作り、いっしょに練習できる時間を提供します。生徒さんはその場で質問できるわけですから、しっかりと回答できれば有意義な時間を提供できるでしょう。
完全カスタマイズしたサービス
もう一つ考えられるのが、その人の課題を見つけ出す指導碁も良さそうです。
分野を絞る前の段階ですね。
課題を伝えることでその人の現状を把握・共有し、目標に向けていっしょに歩んでいきます。
取り組む課題が分かれば勉強もしやすいですし、克服できた時のうれしさも感じていただけるでしょう。
このサービスを実践するには、こちらが囲碁を教えようと思いすぎてはいけません。それより相手の話をしっかり聞き出すことが大切です。
どのように囲碁を捉えているのか、なぜ学びたいのか、囲碁以外の趣味に今までどう取り組んできたか、どういう時間が楽しいかなど、相手のことを把握する姿勢が事業者に求められます。
体験とセットで提供する
どんな分野でも言えますが、膨大な情報にふれることができる今、単に情報を伝えるだけでは満足していただけません。
その情報を活かして、どんな体験や時間を提供したいのかまでしっかりと考えて、サービスを作りましょう。
私も既存のサービスだけに満足せず、新しいサービスをどんどん考えねばと思いました。
まずは絞る指導碁から考えてみようと思います。