- Home
- ざっくり学ぶ囲碁講座
- 打てば得する戦いの急所・前編(15〜10級向け)
打てば得する戦いの急所・前編(15〜10級向け)
- 2024/7/30
- ざっくり学ぶ囲碁講座
石がぶつかった時の対応
みなさんこんにちは。
囲碁アマ五段・DecoBocoの井桁(いげた)です。
・戦いになると対応がわからず崩れてしまう
・中盤の急所が知りたい
こうした疑問をもった囲碁級位者の方(15〜10級)に向けて、この講座では、
・石がぶつかった時の対応(前編)
・相手に切られた時の対応(後編)
について画像付きで解説します。
その前編として、「石がぶつかった時の対応」をまとめています。
講師は代表の井桁健太が担当します。
生徒は弊社キャラクターのデイビーです。
戦いの急所と格言
布石で3線と4線が急所になったように、中盤の戦いにも急所はあります。
それは相手の頭をハネる地点です。
ここに打てると、戦いで負けにくい形を作れるでしょう。
ハネるとは、相手のくっついてる石に対して斜めに打つ手のことです。下図の黒1がハネです。
また相手にくっつける手をツケと言います。
このハネが急所であることを示す格言が2つあります。
「ツケにはハネよ」
「2目の頭、見ずハネよ」
この格言を用いて、ハネが急所になる理由を見ていきましょう。
ツケにはハネよ
まずは「ツケにはハネよ」から見ていきましょう。
下図のように白が黒にツケました。相手がこうしてツケてきたら、自分にパンチしてきているのだと思いましょう。
黒はこのままだと危ないので、対応して身を守りたいところ。この時に格言「ツケにはハネよ」が役立ちます。
相手がツケてきたら、右図のようにハネましょう。
なぜハネがいいのか
ハネが良い理由を紹介します。
相手がツケてきた時、お互いの石の力関係は対等です。
左図のように、黒白ともに相手に石をあと3ヶ所置かれると取られてしまいます。
そこからハネることで、相手をあと2ヶ所で取れるようになります。
また黒2つ:白1つになるので、石の数でも黒は優位に立てます。
この時点で黒は白よりも戦いに勝ちやすい形になるので、ツケにはハネが良い対応と言えるのです。
もちろん白もこのままではいけません。基本的には白1とノビて対応します。
黒も×地点はつながっていないので、そこを黒2とつなぎます。
2目の頭、見ずハネよ
もう一つの格言「2目の頭、見ずハネよ」も見ていきましょう。
基本的には「ツケにはハネよ」と同じ効果です。
まず「2目」とはお互いの2つの石がぴったりと並んでいる状態をいいます。
※陣地の単位と同じなのがややこしい
互いにあと4ヶ所置かれると取られるので、力関係は対等と言えます。
ここからハネることで、相手よりも戦いに有利になります。
陣地も大きくなる
こうしたハネは、戦い以外にも役立ちます。
まずは下辺の黒1子に、白が1とツケたとします。
これに対してしっかりとハネることで、その後できる陣地が、大きくなりやすくなります。
黒白それぞれが2目の頭をハネた時を比べてみましょう。
先に頭をハネた方の陣地が、すり鉢状に広がりそうなのが分かりますね。
もちろんまだ完成した陣地ではありませんが、ツケにハネることでその後も打ちやすくなるのです。
まとめ
・石がぶつかった時は頭をハネる地点が急所
・2つの格言「ツケにはハネよ」、「2目の頭、見ずハネよ」を覚えよう
・ハネは陣地を大きくすることにも役立つ
ツケられたら戦いが始まる合図です。
先が読めなくても、とりあえずハネておくくらいの気持ちで打ちましょう。
その後も色々な面で打ちやすくなりますよ。
次回は黒のハネに対して、白が切ってきた時の対応について解説します。
「戦いの最中、相手に切られるとすごく困る」という人も多いと思うので、ぜひ参考にしてください。
*次の講座は下の画像から飛べます