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辺の打ち込みを成功させるコツ(9〜6級向け)
- 2024/8/10
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辺の打ち込みを成功させるコツ
みなさんこんにちは。
囲碁アマ五段・DecoBocoの井桁(いげた)です。
・敵陣の荒らし方を知りたい
・打ち込んだのによく失敗してしまう
・安全に打ち込むコツを知りたい
こうした疑問をもっている囲碁級位者の方(9〜6級)に向けて、この記事では、
・打ち込む際に意識すること
・打ち込みの基本定石
について参考図も交えながら解説します。

適陣を荒らすのは、最初は勇気がいるものです。
相手の石が多いところに入っていくので、反撃されるのではないかと思う人も多いでしょう。
そういった中で打ち込みを成功させるにはどうしたらいいのかを解説します。
また記事の下の方には、打ち込みの定石プリントを用意しました。
頻出パターンをまとめたので、並べてみてください。

辺の定石・隅の定石の違い
まず辺の定石は、隅の定石と大きく異なる点があります。
それは辺の場合、それまでの配石の影響を大きく受けるということです。
囲碁は基本的に隅から打ち始めるため、隅の定石は相手の石が星や小目にしかない時に生じます。そのため狙った手順通りに打ちやすいです。
しかし辺の定石は、隅のやりとりの後で発生するため、途中から手順通りに打てないことがあります。
この記事では「定石」と表しますが、辺の場合はあくまで基本的な流れ(パターン)と思っておくのがちょうどいいでしょう。

ではそうした中でどのように打てば、打ち込みがうまくいくのでしょうか。
キーワードは「見合い」です。
見合いとは
見合いとは、相手が打ちたい場所が、複数同時にある状態のことです。
囲碁は交互に打つので、どちらかは自分が打てます。
打ち込みの定石は、見合いを活かした手順になっています。
また定石通りに打てない時でも、見合いになる地点に打てるとうまく荒らせるでしょう。


白地を荒らす定石
テーマ図に入ります。白が1,3と打った場面です。
このままだと下辺の白地が大きくなりそうなので、黒は荒らしていきたいとします。
どこから手をつけるのがいいでしょうか。

こういった配石の時は、下図の黒1と3線に打ち込むのが急所です。
この手によって中央と下辺が見合いになっています。
白が中央から被せるように打ってきたら、黒は下辺に向かいます。
下図のように白2で下辺を優先したら、黒は中央にトビます。
白地を削減できたので、打ち込み成功です。
また黒3のトビ以外だと、△にツケる形もあります。
白が中央から被せてきた図に戻ります。
黒3のノビに注目しましょう。実はこの手も見合いを作れています。
そのまま下辺に進出する狙いと、4線の白をノゾいて分断する狙いが同時に起きているのです。
白がノゾキをつないだ場合、黒はそのまま下辺に向かって白地を荒らします。
黒7まで打ったら、次は左下の黒とつながるように打ち、黒13まで連絡します。
もともとの図と比べて白地が削減され、黒地が増えたのが分かります。打ち込みの成果と言えるでしょう。
この流れは基本定石なので覚えておきましょう。
白4で下辺側を止めるように打ってきたら、黒はノゾキになっていた方を出ます。
この後も示すと下図のようになります。白1子を分断して、黒の打ち込みは成功です。
見合いを作れると、白がどう対応してきても成果を得られることが分かりますね。

でも色んな変化があって頭がぐるぐるしてきたぞ〜。

ちなみに黒1に対し、白が左下隅に入ってきたらどうするか。
この場合は三々定石で対応しましょう。下図の定石で大丈夫です。
辺の打ち込みプリント
辺の打ち込みの定石を5つまとめたプリントを用意しました。
PDFとしてもダウンロード(保存)できますので、自由に使ってください。
↓↓
ざっくり学ぶ囲碁講座・辺の打ち込みプリント
上述の通り、辺の定石はそれまでの配石によって変化が求められます。
ただそこを気にすると切りがないので、まずはプリントの手順から覚えましょう。
まとめ
・辺の定石は配石の影響を受ける
・うまく打つには見合いを意識しよう
打ち込みを武器にできると、盤上の見え方がガラリと変わります。
敵陣をうまく荒らせれば、逆転勝ちもきっと増えるでしょう。
慣れないうちは不安もあると思いますが、それを乗り越えるくらい何度も並べてみてください。
次回のテーマは、敵陣を減らすもう一つの手段「肩ツキ」です。
そちらも基本的な手順と意識するポイントを解説します。
それでは今回もありがとうございました!


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