囲碁がより楽しくなるために〜棋風と向き合う〜

あなたの棋風はどんなものですか?

囲碁には棋風という言葉があります。
その人が好んでいる打ち方や、着手に表れる傾向のことです。スポーツでいえば「プレースタイル」が当てはまると思います。

囲碁は盤上のどこに石を置いてもいいので、十人十色の打ち方になります。
あなたの棋風はどんなものでしょうか。

井桁の場合

私は「最後に陣地が1目(1ポイント)多ければいい」という方針のもと、穏やかな展開を好む棋風です。
「戦わないと話にならない」という状況以外では戦いません。長期戦を好んでいるのです。

プロの上野愛咲美さんはその反対です。
彼女は「ハンマー」という愛称があるくらい、相手を攻める棋風です。プロの解説を聞いていても、「このタイミングで攻めにいくのが上野さんらしいですね」といったコメントをよく言っています。

楽しい展開はなんですか

棋風というとなんだか難しそうですが、ようは自分が楽しかったり、安心する打ち方のことだと思います。

私の「最後に1目多ければいい」という方針についても、戦った上で1目多いを目指すこともできますし、模様の張り合いから目指すこともできます。

補足すると、以前は序盤から陣地を取りに行く「実利先行の打ち方」を通じて1目勝ちを目指していました。
序盤に陣地があることで安心し、中盤以降ものびのび打つことができるからでした。

今は高段者になれたので、どんな展開にもある程度は対応できます。
ただそれでも全体の方針は変わらないので、やはり穏やかな碁が好きなのだと思います。

向き合い始める棋力は?

上級者(1,2級)になったら向き合い始めましょう。これくらいの棋力になれば、部分的な打ち方や定石をけっこう知っていると思います。次のステップに上がるためには「全体的なこと=棋風」と向き合うことです。

3級以下の方は、序中盤の基本定石や、好形・愚形といった石の形の知識を増やしましょう。まずは部分的なことを優先です。

1,2級になったけど、そこからなかなか上達できないという方は、一つの切り口として「棋風」と向き合ってみてください。
これまで楽しいと感じた瞬間や、逆に苦手だった展開なども振り返ってみましょう。好きな棋士がいる人は、その人の棋風を調べてみるのもおもしろいと思います。
自分の棋風が定まっていく過程で、それを実現できる定石や打ち方もわかってくるでしょう。

「私はこういう碁が好きです」と思えると、囲碁がより楽しくなります。
ぜひ棋風と向き合ってみましょう。

井桁健太DecoBoco合同会社 代表

投稿者プロフィール

DecoBoco合同会社 代表社員/33歳
囲碁アマ五段・講師歴:10年

個人レッスンやオンライン囲碁サロンの運営などを通じ、初心者から経験者まで幅広く囲碁を教えている。
YouTube「井桁健太の囲碁チャンネル」でも講座動画などを多数載せています。登録者は4200名を突破(2024年11月時点)。

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