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布石で好手を打つための2つのポイント・後編(15〜10級向け)
- 2024/7/26
- ざっくり学ぶ囲碁講座
布石で好手を打つための2つのポイント
みなさんこんにちは。
囲碁アマ五段・DecoBocoの井桁(いげた)です。
・19路盤が広くて戸惑ってしまう
・序盤でどこに打ったらいいか分からない
・強い人は何を考えて布石を打っているのか
こうした疑問をもった囲碁級位者の方(15〜10級)に向けて、この記事では、
・3線と4線を意識しよう(前編)
・弱い石の近くに打とう(後編)
について画像付きで解説します。
こちらは「布石で好手を打つための2つのポイント」の後編として、「弱い石の近くに打とう」というテーマでまとめています。
前編を読みたい方は以下ページをご覧ください。
↓↓
【3線と4線を意識しよう】
講師は代表の井桁健太が担当します。
生徒は弊社キャラクターのデイビーです。
テーマ図1を並べてみよう
まずはテーマ図を紹介します。
1手目〜22手目まで進んだ局面です。
黒は上辺と右下、そして左下隅に陣地を作れています。右上はまだ陣地とは言えませんが、これから大きくできそうです。
白は左上隅と下辺に陣地を作っています。下辺は大きそうですね。
こうした手順を見せた時、初級者の方から「どうしてこのタイミングで他に打つんですか?」と質問いただくことがあります。
なぜ急に他の所に打つのか。
それは「強い石」や「弱い石」といった石の強弱が関わっています。
強い・弱いとは
囲碁では石の状態を表す時に、強い、弱いと言うことがあります。
ざっくり書くと、強い石は取られにくい石です。
反対に弱い石は取られやすかったり、攻められやすいものをいいます。
【強い石】
・すでに陣地を作れている
・つながっている(取られにくい)
・周りの相手よりも数が多い
【弱い石】
・まだ陣地を作れていない
・つながっていない(傷がある)
・周りの相手よりも数が少ない
※それぞれ黒の評価です。
強いかどうかは、相手と比べて判断します。
そのため序盤は強かったのに、周りに相手の石が増えたために、それまでより弱くなることもあります。
そして囲碁では、弱い石の近くに打つのが良い手とされています。
弱い石がある急場
弱い石があるエリアのことを急場といいます。文字通り、急いだ方がいい場所です。
先ほどのテーマ図も、急場を判断しながら置いています。もう一度見てみましょう。
例えば左上隅のやりとりを見てみます。
白8まで進んだ時に、白は左上で陣地を作れているのに、黒はまだイメージできていません。
また石の数も黒が2つに対し、白は3ついます。
そのためこの時点では黒の方が弱いと捉えられ、黒9に打つことで補強しているのです。
急場がなければ大場へ
テーマ図の黒9まで打った時点では、黒白ともに弱い石がないと言えます。
こうした時は「大場」を探します。文字通り、「価値の大きい場所」です。
大場にも基準はありませんが、隅と辺で、石と石の距離が最も離れた場所が大場になりやすいです。
例えばテーマ図の黒9まで進んだ時なら、下辺または右辺が大場と捉えられます。隅と辺にある石の距離が一番離れているからです。
そのため白は10手目で下辺に打ちました。
もちろん右辺に打っても良い手です。どちらに陣地を作りたいかで決めましょう。
まとめ
・弱い石の近く(急場)に打つのが良い手
・弱い石は陣地を作れていなかったり、つながってない石のこと※強い石はその反対
・弱い石がなければ大場を探す。
布石を打つ際、どこに打ったらいいか迷うことがあると思います。
そうした時はぜひ「どの石が弱いだろう?」と考えてみてください。その近くに打てれば、分からない中でも良い手を打てます。
次回は相手の石とぶつかった時の対応をいくつか紹介します。
序盤の布石が終わり、中盤の接近戦についてです。
9路や13路で対局する時にも役立つことなので、更新を楽しみにしていてください。
急場や大場を探すのは、最初は大変かもしれません。少しずつ慣れていきましょう。
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