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肩ツキをうまく打つ方法(9〜6級向け)
- 2024/8/15
- ざっくり学ぶ囲碁講座
肩ツキをうまく打つ方法
みなさんこんにちは。
囲碁アマ五段・DecoBocoの井桁(いげた)です。
・敵陣の荒らし方を知りたい
・肩ツキの打ち方を知りたい
こうした疑問をもっている囲碁級位者の方(9〜6級)に向けて、この記事では、
・消しを打つ時の心がまえ
・肩ツキの基本手順
について参考図も交えながら解説します。
前回の講座では、敵陣を減らす辺の打ち込みを紹介しました。
今回は別の攻め方である肩ツキを紹介します。
肩ツキは「消し」という攻め方の一つです。
消しとは相手の模様や勢力圏に浅く侵入する手法です。
相手の膨らみそうな陣地を抑える役割をもっています。
デイビーといっしょに学んでいきましょう。
消しを打つ時の心がまえ
敵陣に深く入る打ち込みはもちろん有効な攻め方ですが、相手の石がとても多いエリアに入ると、反撃されて却って損をしてしまいます。
そういった時に有効なのが消しです。
この消しを打つ時に大切な心がまえがあります。
「相手に20〜30目ほどの陣地を作られることは気にしない」ということです。
浅く侵入する手段なので、それを打ったとしても、相手に陣地は作られてしまいます。
ただしその敵陣が大きくなってなければ十分成果を挙げられたと評価しましょう。
消さなかったら40目以上の敵陣ができていたかもしれないところを、30目以内に抑えられた。よって得したと判断するのです。
消しの基本図
まずは肩ツキの基本的な流れを見ていきましょう。
いま下図の局面で、次が白番です。
このままだと下辺の黒地が大きくなりそうです。ただし打ち込むと反撃される可能性があるため、白は消していく作戦を選んだとします。
そして白1が肩ツキです。次に黒はAかBに打つのがよくある進行です。
その後は黒2から白7までが基本的な手順です。
白は黒地の膨らみを抑えられて満足であると評価します。
変化図
もし黒6でケイマに打ってきたらどうするのか。
この場合白はまず7と打ち、次に右下の黒3子を切る手を狙います。
黒はそれを避けるために8とつなぎ、白は9と打って中央に出ていきます。
これも白はうまく消したと評価できます。
※黒も大きく損しているわけではありません
肩ツキの後で考えていること
隅や辺と比べて、中央に打つ時に何を目指せばいいのか分からなくなる人は多いと思います。
肩ツキも同じで、最初の2,3手はすらすら打てるけど、その後どうすればいいか分からないという声をよく耳にします。
その対策として、自分の石に縦と横の要素をもたせることを意識してみてください。2つの要素をもたせると、中央の石や一団が安定しやすくなります。
それを踏まえてテーマ図を振り返ってみましょう。
白1と肩ツいてから黒6まで進んだところです。
この局面だと、下辺の白3子は縦の要素だけをもっていると言えます。
そのためこういう石から動く際は、横の要素をもたせましょう。
白7と打ったのはそのためです。
また黒6でケイマに打ってきた場合も同じです。
白は左側に展開しづらくなったので、白7と右に向かって横の要素をもたせたという理屈になります。
さらにその次は縦の白9を選んでいます。
また黒2でテーマ図のBに打ってくるなら下図のようになります。
白5まで進んだ時点で白は横の要素のみもっているため、縦を気にして白7とトビます。
白は黒地を平らに抑えられたと同時に、自分も安心できる形になりました。
黒がさらに攻めてきたら、その後も縦と横をバランスよく打っていけばOKです。取られる心配はありません。
ちなみに縦と横の要素をもたせることは、肩ツキ以外の消しを打つ時にも有効です。(ボウシなど)
まとめ
・消しは浅く侵入する手法
・敵陣が多少できることは気にしない
・縦と横にバランスよく補強しよう
打ち込みに加えて肩ツキも知っておくと、色々な角度から敵陣を攻められるようになります。
まずは上図の基本的な流れを並べてみましょう。
ここまでで【ざっくり学ぶ囲碁講座】の中級者編は終了です。
次回から準上級者編(5〜3級)が始まります。
この棋力帯の方は、相手の石を切る技術を磨いていきましょう。
石を切るのが不安な人は多いと思うので、次の記事では切った後に意識したいことなどを紹介します。
今回もありがとうございました!
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